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| パラグライダー何でもQ&A 初・中級編2 | |
| ・ベテランパイロットのランディング事故は回避出来なかったのか? | |
| Q 現在B級コースに入ったばかりのスクール生です。 本日、パラグライダーの色々なサイトを検索していましたら、パラグライダーの事故に関する記事が多数載っていました。 その中に、かなりベテランのパイロットの方で、また自分でパラグライダーの関連HPも運営していた方なので技術的には確立した物を持っていた方だと思うのですが、その方が、ランディングまじかの高度15mの時に突風に吹かれ、機体の立て直しすら出来ないで、落下し死亡したという記事がありました。 この様な状況に陥った場合、どうすることも出来ないのでしょうか。 これは、不慮の事故と捕らえ、しょうがなかったとあきらめるしかないのでしょうか? 中には、自分の技量以上の機体、操作、悪天候の中で事故を起こす方もいらっしゃるでしょうが、そういう事故例は別として、この様なランディング寸前での事故は誰にでもありうることだと思います。 今後、パラをやっていく上で、非常に不安になったものですから、宜しくアドバイスをお願いします。 ニックネーム:中年パラ生、男性、45歳、神奈川 2006年11月投稿 |
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| A 中年パラ生さんこんにちは! 神奈川からの投稿との事で、箱根方面に通われているのでしょうか? 箱根ではイクスの仲間がよく浜名湖フライトパークを利用して頂きますし、横浜スカイセーリングの方達も高塚エリアを使ってくれています。 隣県ですので、シーズンになったら是非、仲間と一緒に遊びにいらして下さい。 ご質問の件ですが、おっしゃる通りベテランパイロットやインストラクターの方々でも事故を起こしている事がありますね。 私の知人でも、腕はクロスカントリー級で申し分無いのに、怪我が絶えず、やっと完治したかと思うのもつかの間、また何処かを骨折したりしている人がいます。 こうしてみると事故の遭遇率はビギナーとかベテランだとかはあまり関係ないようです。統計では、パイロットになって2.3年を経過した後に多くなる傾向があります。 ビギナーではスクールの管理下にある為、事故は少なく、パイロットになりたての頃は本人も慎重な為、やはり事故は少ないのだと思われます。ところが、パイロットになって2・3年を経ちますと腕もかなり上達してきます。 気の緩みも有りますし、新しい事にも挑戦してみたい、上達した自分の腕を試したいし、後輩にもひけらかしたくなる。 「多少、怖くても飛んでしまえば何とかなる。」 この頃から事故が増え始めるのも当然かもしれません。 車社会を見てみましょう。 世界一の腕を誇った私の憧れのF1レーサー、アイルトンセナは時速300kmを超えるスピードでコーナーを攻め、曲がりきれず亡くなりました。この事実から「車は恐ろしいもの」として敬遠すべきものでしょうか。 私のおふくろは80歳まで元気に原付自転車を50年間無事故で乗りまわしていました。 事故を起こすかどうか?は腕の良し悪しではなく「充分な安全マージンをとっているか?」と言う事で決ってくると思います。 本題に戻りましょう。 「ランディングまじかの高度15mの時に突風に吹かれ、機体の立て直しすら出来ないで、落下し死亡した」件ですが。 突風とは突然吹く風を言いますが、果たして何の兆候も無く突風が吹くでしょうか! 突風が吹くのはそれが起こりやすい不安定な大気状態だったからです。不安定な大気の中では、その時、突風が吹くかどうか?は確率の問題なのです。 大気のコンディションを考慮しないでフライトを重ねていれば20本に1本位は突風が吹きやすい条件下でフライトしていることになるでしょう。そしてその1本が10回もあれば1・2度くらい事故に繋がる突風に遭遇する事になります。 安全マージンとはフライトの条件をはじめ、自分の力量・フライトギアの種類や品質でも変わります。 「どの位の安全マージンをとっていれば自分にとって安全か?」はパラグライダーをやっていれば分かってくるはずです。 フライトギアから考えてみましょう。 ご紹介の事故例の詳細は存じませんが、15mの上空からの落下は、エアーバックハーネスであったら助かったかもしれません。また、DHV1−2以下の機体であれば大きく潰れなかったかもしれません。あるいはフルフェイスのヘルメットであったならば顔面を強く打たなかったかもしれません。 これらのフライトギアの優劣は、安全に飛びたい気持ちと、多少のお金を費やす事で直ぐにも解決してしまいます。 「ほしいけど予算がないから今は買えない。」と言う人達を見かけます。現実問題として気持ちはよく判ります。しかし、自分の命のために数万円をかけられない人はパラグライダーをやってはいけないと思います。 安全に金を惜しまないでほしいのです。けっして高級でなくとも、しっかりした物を揃えればそれ程高額にはならないと思います。 私は、ハンググライダーと合わせれば30年間空を飛んでいます。 その間、かすり傷は有りますが骨折など大きな事故にあっていません。 理由は簡単、非常に臆病だからです。 臆病がゆえにセナの様に限界まで攻めきれず、ハンググライダーではシード選手になったものの、日本チャンピオンにはなれませんでした。 しかし、それはスカイスポーツをいつまでも永く続けられる糧(かて)になりました。 臆病なこと、未知のものを恐れる事は、生きているもの全てが持っている自分の身を守る本能だと思います。 人によって多少の差はあるでしょうが、誰もフライトを始める前は、空を飛ぶということ自体、「怖い」と感じているはずです。 人間にとって空は未知の世界だからです。 しかし、何回かフライトを重ね、技術や知識を学び、コンディションを分析できるようになり、アクシデントへの対処が判ってきた時、一つずつ恐れは消えてきます。 その恐れの克服と実力がきちんとバランスがとれていれば問題ありません。 しかし、パラグライダーは意外と簡単で、自分の未知のコンディション、例えば多少荒れた風でも飛んでしまえば殆どは何とかなってしまいます。 この簡単さがゆえに、怖さが麻痺したり、あるいは自分に都合の良い「希望的観測」で怖さをごまかしフライトしてしまう。 何とかなってしまうと、ますます楽天的になり、怖さが薄れてきてしまう。 こうなってしまうと、後は時間の問題ですね。 私は決して「未知のものに手を出すな。」と言っているのではありません。 特に、中年パラ生さんの様にこれからどんどん上手くなっていく過程では、殆どが未知のものであり、冒険であります。 この未知の領域を一歩一歩解き明かし、自分のものとして行く事が冒険であり、無謀とは一線を画すところです。 自分の力量を磨くこと、また自分の力量をよく知ること、そして未知のものに対する恐れを常に持ち続けること、それが充分な安全マージンをとることに繋がると思います。 たぶん、セナの事故と同様、ご質問の事故にも様々な要因が考えられ、またその要因が重なり合って起こってしまった事故なのでしょうから、簡単に「こうすれば防げた」「こうするべきだった」とは言えません。 今回の私の回答では当てはまらない何らかの要因があったかもしれません。 ただ、一般的に事故を防ぐためには、上記の内容を踏まえ、充分な安全マージンをとって危険な状況に陥らないようにすること、そういう状況に陥っても体を守ってくれる装備をきちんと揃えておくことが必要だと思います。 この大原則を守って、全ての方が「パラグライダーをやって本当によかった!」 そう思えるよう、「事故ゼロの世界」をみんなで創っていきたいですね! |
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