入校申込、見学希望、お問い合せはこちらまでお気軽にどうぞ↓
HOME スクール フライトエリア イベントレポート 会員紹介 天気予報
パラグライダー用語辞典 パラグライダー何でもQ&A Photoギャラリー ノってます♪ JPMニュース BBS LINK
パラグライダー何でもQ&A 上級編
・サイズの大きい機体は性能が良いか?

 クロスカントリー誌(CCJ)で大きいグライダーほど性能が良いとの記事が有りました。
この次は1サイズ大き目のグライダーにしたいと思いますが、どうでしょうか?(パイロット Nさんより)



 CCJ 16号の記事だと思います。
サイズの大きなグライダーの有利性を空気のレイノルズ係数を用いて説明してあります。
確かにレイノルズ係数から理論的には大きなグライダーの方が有利ですが、 実フライトでは、パラグライダーのサイズの違い程度では、感じられない程の差でしかないと思います。

 CCJにレイノルズ係数の変化グラフが載っていますが、これは流体力学の一般的な資料であって、グラフの座標からパラグライダーのサイズによる変化度合いは読み取る事が出来ません。
正直言って、この業界はあまりにも小さい為に、「レイノルズ係数がパラグライダーの飛行性能に実際どのくらい影響 しているのか?」詳しいデータが無いのです。

 同一機種でL・M・S・XSの4サイズの機体があったとします。
パラグライダーの設計は殆どがヨーロッパで行われており、テストパイロットの平均体重は80kg位有ります。
従って設計の主力はLあるいはMサイズで行われ、そのデータを基にSやXSサイズに展開していきます。
最近、殆どのメーカーはキャドソフトを使いスケールダウンによりS・XSサイズを開発しているようですが、細かな調整はパイロットのフライトにより行わざるを得なく、軽量テストパイロットの不足はそのまま機体の性能を発揮できない事につながっています。
結論として大きなサイズの機体の性能が良い事はレイノルズ係数よりも開発過程による影響の方が大きいと思われます。

 ここで注意してほしい事は、いずれにしても「性能が良いから。」と言って自分に合わない大きな機体を乗る事は危険であるばかりか、機体の性能を逆に引き出せない事です。
 スパンが2mもあるアホウドリは鳥類の中で最も飛行性能が良いと言われております。
しかし、その何十分の一のツバメだってアホウドリ同様に何千キロもの海を渡り日本に飛来します。
要は自分に合ったサイズとクラスのグライダーを選ぶ事が上達と大会で勝つ秘訣です。

・愚かなアクロバット飛行!
 パラワールド誌3月号にアクロバットの方法がありました。その方法を具体的に教えて下さい。

 
まず、アクロバットは空を楽しむ本来の目的から無縁のものです。
エンジンを持つ軽飛行機やULP では「空を飛ぶ事。」そのものは直ぐに飽きがきてしまいます。しかし私達は鳥の様にソアリングを楽しみ、 自然との融合から尽きる事のない喜びを感じているはずです。それを感じないでアクロバットに走る人は本当のパラグライダーの醍醐味を知らないか、「自分の技をひけらかしたい自己アピールの強い人間」 だと思います。

2年前にあるスクールの校長がスパイラルを行い、そのまま地面に激突して亡くなりました。 詳しい原因は存じませんが、おそらくスパイラルがポジティブスピンに入り旋回が止まらなくなったか、意図的に地面ギリギリまでスパイラルを行おうとして目測を誤った為ではないかと思われます。
私(森下)は臆病なのでアクロバットは行いません。必要でしたら高度差1千m以上が確保されれば 具体的方法を指示します。

▲このページのトップに戻る
・スパイラル飛行について
 スクールカードのパイロットコースにスパイラルの項目が有りますがJPMではなぜやらないのですか。                                                          (パイロット MTさんより)
 
JHF教本にはパイロット必須科目に指定されていますが、私はP証科目でスパイラルは必要ないと判断しています。
と言うのは、スパイラルは高度処理の方法としてあまり有効ではないと思っているからです。

例えば、雲の吸い上げにつかまって脱出を余儀なくされた場合、スパイラルを行ってもあまり高度を落とせません。
スパイラル飛行の疲労からそれを中止すると、また直ぐに雲の吸い上げに捕まってしまい元の高度に戻ります。
両翼潰しの方法は、高度処理能力としてはスパイラルに及ばないものの、前進力が維持されている事から、高度処理を行いながら雲の吸い上げの無い所に移動する事が可能であり、 またスパイラルのように平行感覚を麻痺させる要素も有ありません。従って最後まで冷静な判断ができる事 から緊急回避としては適切な方法と言えます。

では「積乱雲の様な雲の中心に入ってしまった場合はどうか?」 これはもうどうしようも有りません。
絶対にそんな所へ行かない様に! 
高度処理の方法として他にAストール・Bストール・翼端ストールなどがあります。
上手な雲の吸い上げの利用方法も含め別の機会に説明したいと思います。

・スパイラル飛行について その2

 
危険な雲に注意を払う事を前提として、それでも吸い上げに捕まった場合、そしてその雲の上昇力と発達のスピード(垂直方向と水平方向)が翼端折+アクセルの能力を上回っている時わずかな差でしかないかも知れませんが、スパイラルダイブが有効になるのではありませんか? 
また、不意な潰れからスパイラルダイブに陥る事も有ります。
ある日突然スパイラルは、出来ません。ある日突然スパイラルダイブになったらパニックなるのでは?
スパイラルを知っていれば安心と言うわけでは有りませんが、そんなこともあるのが空なのでは?(Y・Kさんより)

 
 スパイラル飛行についてのご意見を頂き有難うございます。
この様にしっかりとした見解をお持ちのYKさん、素晴らしいと思います。全てのパイロットの方々がこの様に体系的にしっかりとした考えをお持ちになられると日本もかなり期待できますね。

 さて、YKさんが想定した状況を具体的に考えてみます。
両翼潰しを行い、フルアクセル飛行をしますと普通のグライダーでしたら50〜60K/m(14〜16.6m/S)のスピードが可能です。このスピードで対地速度が得られない雲の吸い込みは積乱雲の発生を意味します。
この状態の中ではおそらく上昇リフトも毎秒10mを超しており、そしてリフト帯もかなり深いものと思われます。

例えば、地上2000mでこの状態に陥った場合、少なくとも1000m程度の高度をスパイラルにて処理しないと脱出は出来ないでしょう。仮に10m/sのリフト帯を12m/sでスパイラル処理した場合、500秒(8.3分)、11m/sで16.7分間休むことなくスパイラルを行う事が必要で、10m/Sの高度処理では永久に脱出できません。
通常のパイロットが10m/Sを超えるスパイラルを連続して10分以上続ける事は理論的には可能であっても事実上耐えられないと思います。しかも14m/Sを超える横風により機体は雲の中心(コアー)にもっていかれる事になり事態はますます悪い方向に向かう事になります。そして、やっと1000mの高度を処理した時にはパイロットの平衡感覚は完全に麻痺しているのです。

この様な事からYKさんが想定した条件(翼端折+アクセルで脱出不可能)では両翼潰し飛行と共にスパイラルでも事実上、脱出不可能なのです。

 しかしながら、この様な極端な状況はさて置き、次の場合にスパイラル飛行は有効です。

1 遭遇した雲が横方向に大きく広がり翼端折程度では脱出前に完全に雲中に入ってしまう場合。
2 雲低が山頂よりも低く(山にかかっている)、雲中飛行が山チンなど大きな事故の可能性につながる場合。
3 該当する雲に複数の機体が入った可能性が有る場合。
4 飛行している地理条件などである方向にしか脱出せざるをえなく、その方向に雲のコアーが有ったり、
  他の雲に入る危険が高い場合。
5 気が付いた時には既に雲中飛行を行っており、状況判断の為にすぐにでも視界を確保したい場合。
大まかですが以上の様な場合、高度処理能力の高いスパイラルが有効でしょう。

 ここで、もう一度、両翼潰し(翼端折り)とスパイラルの特徴を整理したいと思います。
両翼潰しは、高度処理能力は劣るが移動能力は保持している事。
スパイラルは高度処理として有効な手段であるが移動する事はできなく、その上、パイロットの平衡感覚を麻痺させる弊害もある事です。

 この特徴を踏まえ、もし雲の吸い上げに捕まってしまった場合、雲の影響の無い所、つまり下に逃げるか?横方向に逃げるか?の判断をする事になります。
ポイントは雲の成長がどの様になっているか?また、その雲の、どの位置に自分がいるか?で決まる訳ですが、その際、私は雲の無い所(上昇気流の無い所)へ、まずは移動を試みる事が多くの場合、得策と判断します。

高度処理能力の低さから一時的に雲に吸いこまれたとしても平常心を保ちGPSやコンパスから定めた方向に進む事により、雲からの脱出が可能になります。
平穏な状態のなかでのスパイラルはかなりダイナミックに高度を処理できるのですが、上昇帯の中で仮に500mの高度を処理する事はかなりしんどいもので、パイロットを取りたての方ではおそらく不可能と思います。

上昇帯の中でスパイラルの効果がどれ位か?適当な雲を利用して普段から経験を積んでおくと良いでしょう。
また、JHFのカリキュラムには有りませんがAストールやBストールなどはスパイラル並みの高度処理が出来ますし、パイロットの平衡感覚を麻痺させる要素も少なく、イザと言う時の為の有効な手段でしょう。
スパイラルに限らずいろんな基本技術・応用技術あるいは新しい技術を身に着ける為に、切磋琢磨していく事が大切ですね。

 YKさんに誤解されているかもしれませんので、ここで私の考えを明記したいと思います。
私は決してスパイラル不要論者では有りません。ただ、パイロット技能証の取得科目では必要ないと思っており、当スクールではXCコースで設定し、充分な練習とその試験を行っております。

スパイラルの方法はJHF教本に書かれておりますが、実はとってもリスキーなテクニックなのです。
・・・と言いますのはスパイラルを教本通り行い、また回復操作を行っても回復しない(あるいは回復し難い)機体があります。そしてこの傾向が特に初級グライダーに多く見られます。
なぜ初級グライダーにその傾向があるのか?はまた、別の機会に述べたいと思いますが、「全ての面において初級グライダーの方が安全」と思われていた業界に大きな落とし穴が有った訳です。

 世間一般にパイロット技能証はパイロット(フライヤー)として一人前の者に与えられるものと思われがちですが、パイロット技能証とはパイロットとして必要最低限の飛行技術・判断を取得された者に与えられたものです。
P証を取得した後で、一人前になる為に習得しなければならない事は沢山有ります。
それでは何処までを最低限とするかどうか・・・?
いろいろ議論を呼ぶところでJHF技能証制度発足後、NP証技能課程が設けられその後、XC制度も新設されました。
細かな所ではP証の中でもBストールが削除されたり教本では補足説明が加わった部分も少なくありません。
その意味でスパイラル飛行はパイロット課程から除外して、他にもっと付け加えなければならない基本技術が有ると私は感じています。
 この問題について論議を進めますと、とてもこのコーナーだけでは収まりきれなくなりますので、ここでは私(森下)の考えとして理解して頂きたいと思います。日進月歩しているパラグライダー界ではスパイラルに限らずいろいろな内容を発展的に改革して行く必要があり、機会を改めて教習委員会に進言して行くつもりです。

 YKさんのご質問の中に潰れからのスパイラルダイブの件がありますが、高度処理のスパイラル飛行とスパイラルダイブは別のもので対処方法や回復方法も異なってきます。そのものについての具体的コメントは機会を改めて説明させて頂きます。

 この程度の内容ではたしてYKさんのご質問の回答になっているかどうか・・?
お酒でも飲みながら、いつかゆっくり論議出来ると楽しいですね!ぜひ一度遊びにいらして下さい!!

▲このページのトップに戻る
・アクセルの使い方について
Q
 8月にお世話になったyamashigeです。山で3時間、さらに海でも飛べてよかったです。
さて、つい最近、ランディングまで届くかどうかと言う時(前に出ないほどの強風ではない)に、経験上から早めにアクセルを踏んだ方が届くという意見と沈下が多くなるから逆だという意見があり、困っています。
LDが遠いエリアではほんのわずかな差で天国と地獄に分かれてしまいます。
機体の滑空比や風の条件で異なるのでしょうが、一般的な考え方を教えてください。


 yamashigeさん、この夏は直接、お逢いできて、このQ&Aコーナーを開設して本当に良かったと思います。特に高塚エリアでは一緒に飛ぶ事が出来て楽しかったですね。また是非、遊びにいらして下さい。
 
 さて、yamashigeさんからのご質問「アクセルの使い方」についてですが、おっしゃる通り、風などの条件でかなり違ってきます。
 まず、沈下率がゼロ若しくは少しでもリフトを感じる場合、風が多少強くても前進出来るのであれば、アクセルを使う必要は全くありません。逆に、シンク帯で有ったり強風で前に出にくい場合は積極的にアクセルを使う事が有効です。
yamashigeさんのご質問は多分、「その様な、はっきりした場合でない時、アクセルの使用の判断をどうすれば良いか?」と言う事ですね。

 「JHF教本NP6−8」にポーラーカーブが掲載されています。
向い風の中を飛行する場合、その風が強くなるにともない、それに応じたスピードを出す事により、最良の滑空比を得る事が出来ます。ポーラーカーブ例
機体のスピードセッティングがニュートラル(バンザイ)で無風時の最良滑空比(C点)にセッティングされている機体では、向い風の強さに応じてアクセルを踏んだ方が有利である事が判ります。 注1
 滑空比や沈下率を説明する際、ポーラーカーブを用いた説明は非常に都合の良いものですが、「実際、自分の機体のポーラーカーブはどうなのか?」となりますと、ほとんどデーダが無いのが現実です。
結局のところ、「いろんなレンジの向い風に対し、どれだけアクセルを踏めば良いか?」その機体を乗り込みポーラーカーブをイメージしながら感覚で覚えるしか無いようです。
グライドパス判断法を使って色々な強さの風で試してみると良いと思います。 

 アクセルの有効性を説明しましたが、実際の向かい風に対し神経を使い、こまめなアクセルワークは大変わずらわしいもので、もっと簡単な方法はないか?模索してみます。

 図のポーラーカーブは一般的なパラグライダーのものです。
機種により多少の違いは有るものの、概ねどのパラグライダーもこの様なカーブです。
注目する所はこのカーブは放物線で、C点を過ぎると曲線は、しだいに右下がりの、ほぼ直線に近くなります。
向い風5または6m辺りから最良滑空比を求める接線を描くとカーブのほぼ直線部分に長く重なります。
これはアクセルの踏み量がだいたい30%を越える辺りからスピードを増して行っても、滑空比としてはそれ程変わらない事を意味しています。
また、向い風7m以上の場合は可能な限り早いスピードの方が有利である事がわかります。
 そして4m以下の向い風の際、それに応じてアクセルを使った方が良いのですが1m程度の風では実際、殆ど効果は感じられないでしょう。
 この様な事からアクセルの使用は次の様に簡単にしても実用上、充分対応出来ると思います。


  ・ 向い風0〜2m アクセルは使わない
  ・ 向い風3〜4m 25%(1/4)程度
  ・ 向い風5〜   100%(フルアクセル)


 フルアクセルとは出来るだけ高速にすると言う事です。
アクセルを踏む際、過度なアタックアングルの下げは前縁の潰れを誘発し危険でもあります。従って実際の気流の安定度から安全性を考えて踏み込みます。つまり、アクセルの踏み込み量は安全性から決められる事になり、80%の時もあれば場合によっては50%程度で抑える事も有ると思います。
また、このアクセルの使い方は「出来るだけ高度ロスを少なくする為」であって常にそうする事がベストと言う事ではありません。例えば、5mの向い風であっても目的の場所に充分、到達するのであればアクセルを使う必要は無いわけで、アクセルのメリット・デメリットをふまえて使って頂きたいと思います。

 
アクセルは装着していると高度ロスの少ないフライトができ、その上、チョットした危険回避にも役立ちます。普段あまり使われない人もいろいろ工夫しながら飛ぶと新しい面白しろさを発見できるかもしれません。試してみて下さい。
 

  注1 一般的にパラグライダーのスピードはニュートラルでポーラーカーブのC付近にセッティングされています。
      ただメーカーにより多少の違いが有り、アプコ社はb寄り、ウインドテック社などは若干d寄りの傾向があるようです。
      また、同じく初級機はb寄り、上級機はd寄りの傾向を感じます。


▲このページのトップに戻る
 株式会社ジェーピーエム 浜名湖パラグライダースクール
  〒431-1407 静岡県浜松市三ヶ日町大谷93-1 TEL:053-526-0015 FAX:053-526-0141 MAIL:info@jpmsports.com 定休日:木曜日(祝日は営業)